LEDビジョンを検討する際、必ず話題に上がるのが「輝度は何cd/㎡あれば十分なのか?」という点です。屋外用のカタログには「5,000cd/㎡」「7,000cd/㎡」「10,000cd/㎡」などの数値が並び、数字が大きいほど良さそうに見えます。
しかし実際には、LEDビジョンの輝度は“高ければ良い”というものではありません。明るすぎて眩しい、夜間の光害につながる、周囲環境に対して過剰スペックになるなどの問題が起こることもあります。
本記事では、LEDビジョン 輝度 目安を屋外/屋内・設置環境・用途の観点から整理し、失敗しない選定基準を解説します。
輝度(cd/㎡)とは、画面そのものがどれくらい明るく見えるかを示す指標です。照明の明るさ(ルーメン)や、床や机に届く光の量(ルクス)とは異なり、LEDビジョンでは「画面の明るさ」を表す数値として使われます。
カタログに記載されている輝度は、多くの場合「最大輝度」です。しかし実際の運用では、日中・夕方・夜間で必要な明るさが変わるため、常に最大輝度で表示することはほとんどありません。
多くの現場では、自動調光(明るさセンサー)や時間帯ごとの設定により、環境に合わせて輝度を下げながら運用しています。
輝度選定を誤ると、次のような問題が起こります。
つまり、輝度は「足りない」のも「高すぎる」のもNGです。
輝度の数値を見比べる前に、まずは次の3点を整理することが重要です。
同じ屋外でも「日向か日陰か」「南向きか北向きか」で必要な輝度は変わります。
繁華街では夜間でも一定の輝度が必要になる一方、住宅地に近い場所では夜間に輝度を落とせる設計・運用が欠かせません。
広告・案内・演出など用途によって、求められる「見え方」は異なります。近距離用途では、輝度よりも眩しさを抑えることが重要になる場合もあります。
なお、視認距離とピッチサイズの関係は別ページで詳しく解説しています。
ここからは、実際の導入現場で使われることが多い実務ベースの輝度目安を整理します。あくまで一般的な目安であり、設置環境や運用条件によって前後します。
屋外では、直射日光下での視認性が最重要ポイントです。
| 設置環境 | 輝度目安(cd/㎡) | 解説 |
|---|---|---|
| 直射日光が強く当たる(南向き・屋上・壁面) | 5,000〜7,000以上 | 日中でも視認性を確保するため高輝度が必要 |
| 日陰・北向き・ビル影になる場所 | 3,500〜5,000 | 過剰な高輝度は不要なケースが多い |
| 半屋外(庇下・アーケード) | 3,000〜4,500 | 直射日光が避けられるため中程度で対応可 |
| 夜間中心・光害配慮が必要 | 2,500〜4,000(調光前提) | 夜間は輝度を落とせる設計・運用が必須 |
屋外の場合は、「最大輝度」よりも「日中に十分な明るさを確保できるか」と「夜間に下げられるか」の両立が重要です。
屋内では、明るさよりも“見やすさ”と“眩しさ対策”が重要になります。
| 設置場所 | 輝度目安(cd/㎡) | 解説 |
|---|---|---|
| エントランス・ショールーム | 800〜1,500 | 照明が強めでも眩しすぎない範囲 |
| 商業施設の吹き抜け | 1,000〜2,000 | 中距離視認+明るい環境に対応 |
| 会議室・ホール | 500〜1,200 | 照明調整が可能なため控えめでOK |
| 駅コンコース・通路 | 1,200〜2,500 | 周囲が明るく、案内用途で可読性重視 |
屋内で過剰に輝度を上げると、眩しくて見づらい/白飛びして文字が読みにくいといった逆効果になるため注意が必要です。
特に重要なのが、「最大輝度をいくつにするか」より「どう運用するか」を先に決めることです。
輝度は単独で決めると失敗しやすいため、以下の項目とあわせて確認することが重要です。
A. 一般的には4,000〜5,000cd/㎡以上が目安ですが、直射日光や向きによって変わります。
A. 環境にもよりますが、1,500〜2,000cd/㎡を超えると眩しく感じるケースが増えます。
A. 屋外ではほぼ必須、屋内でも環境変化がある場合は導入を推奨します。
A. 常時高輝度で運用すると負荷は高くなりますが、適切な調光運用を行えば大きな問題になりにくいです。
LEDビジョンの輝度選定は、「屋外/屋内」「日射条件」「用途」「運用方法」を整理すれば、適正値が見えてきます。
このページの目安を基準に、次はピッチ・リフレッシュ・IP等級もあわせて検討していきましょう。
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