大型LEDビジョンの導入で起きるトラブルは、必ずしも「製品スペックが低かった」ことが原因とは限りません。実際の現場では、初期不良や色ムラが解消されない、雨漏りなど施工起因の不具合が出る、納品後に保守窓口が機能しないなど、「体制」の問題で困るケースが多く見られます。
LEDビジョンは、機器+工事+運用がセットになって初めて価値を発揮する設備です。本記事では、スペック表だけの比較では見えにくい「対応力・施工体制・保証・保守・運用支援」という観点から、失敗しないメーカー比較の見方を整理します。
導入後に起きやすいトラブルとして、次のようなものがあります。
これらの多くは、製品そのものではなくメーカー・業者の体制に起因します。スペック比較に加えて、「誰が・どこまで・どう対応してくれるか」という視点で比較することが不可欠です。
LEDビジョンの導入には複数の役割が関わります。窓口が1社でも、実作業は別会社というケースもあるため、役割分担を把握しておきましょう。
体制には大きく分けて「一社完結型」と「分業型」があります。どちらが良いかではなく、責任の所在が明確かが重要です。
トラブル時に「施工会社の問題」「メーカー仕様」など責任の押し付け合いが起きる体制では、長期運用で大きなストレスになります。不具合時の窓口と責任範囲は必ず確認しましょう。
ここからは、メーカー・業者を比較する際に必ず確認したい評価軸を整理します。用途に合った提案ができるか、施工品質を担保できるか、保証・保守で困らないかがポイントです。
最初に見るべきなのは、「こちらの用途をどこまで理解しようとしているか」です。良い提案をするメーカー・業者は、視認距離や設置環境を具体的に確認し、撮影・配信の有無、屋外ならIPや排熱・結露まで踏み込んでヒアリングします。
注意したいのは、次のような提案です。
要件整理が甘い提案は導入後トラブルにつながりやすいと考えておきましょう。
LEDビジョンは、施工品質で成否が大きく分かれる設備です。比較時には次の点を確認しましょう。
特に屋外・高所、特殊形状(曲面・床・キューブなど)、公共・商業施設では、施工実績と設計力の差がそのままリスク差になります。
施工体制を見る際、次が曖昧なまま進むのは危険です。
「工事は問題ありません」という一言ではなく、どこまで責任を持つのかを具体的に説明できるかを確認しましょう。
LEDビジョンは導入して終わりではなく、使い続ける設備です。保証・保守の内容は必ず比較しましょう。
屋外設置では、「機器保証はあるが、工事部分は対象外」というケースが多く見られます。保証書の文言だけでなく、誰がどこまで無償対応するのかを明確にしましょう。
カタログだけでは、実際の見え方や使い勝手は判断できません。比較時には、実物を見て試せる体制があるかを確認しましょう。
特に撮影・配信用途(→4-4)や、透過・床・キューブなど特殊形状(→4-6)では、「実物確認」が失敗回避の近道です。
導入後に止まりやすいのが、「運用が回らなくなる」ケースです。次の点も比較しましょう。
特殊形状LEDでは、「表示はできるが更新できない」事態が起きやすいため注意が必要です。
安く見える見積でも、後から追加される項目があると総額が大きく変わります。比較時は見積の中身を確認しましょう。
「一式」表記が多い場合は、どこまで含まれているのかを必ず確認しましょう。
メーカーにはそれぞれ得意分野があります。ここでは「タイプ」として整理します。
「有名だから」ではなく、目的に合ったタイプかで選ぶことが重要です。
価格だけで決めた結果、雨漏り・配線処理不良・色ムラなどが発生し、結局修理費で高くつくケースがあります。
屋外設置で多い失敗例です。施工起因の不具合が有償対応となり、運用コストが膨らみます。
CMSが使いにくい、更新担当がいないなどの理由で、表示が固定化・停止してしまうケースがあります。
配信用途なのに事前テストがなく、導入後にフリッカーが発覚する例です(→4-4 リフレッシュレートとフリッカー対策)。
メーカー・業者比較時に、そのまま使える質問例をまとめます。これらに具体的に答えられるかが信頼性判断の材料になります。
LEDビジョンのメーカー比較で重要なのは、単純なスペックや価格ではありません。要件整理、施工、保証・保守、運用支援まで含めて、導入後に困らない体制を選ぶことが成功の近道です。
迷った場合は、実機テストができる/同条件の実績提示ができる/保証範囲を明確に説明できるメーカー・業者を基準に比較すると、導入後トラブルを大きく減らせます。
各メーカーの製品ラインナップや対応力、導入事例を調査。設置場所・目的別におすすめのメーカー3選をご紹介。
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