大型ディスプレイやデジタルサイネージの導入を検討する際、LEDビジョンと液晶ディスプレイのどちらを選ぶべきか迷う方は少なくありません。両者は発光の仕組みから得意とする設置環境まで大きく異なります。
本記事では、LEDビジョンと液晶ディスプレイの違いを解説します。
ディスプレイの性能や特徴を理解するうえで、基本的な違いとなるのが「光を出す仕組み」です。
LEDビジョンは、光の三原色(赤・緑・青)を放つ微小なLED素子(ピクセル)を敷き詰めたパネルを組み合わせて映像を表示します。LEDチップそのものが光を放つ自発光方式を採用している点が特徴です。バックライトなどの外部光源を必要としないため、コントラストがはっきりした鮮やかな映像表現を可能としています。
液晶ディスプレイ(LCD)は、背面にあるバックライト(多くはLEDライト)が常に点灯しており、その前にある液晶分子が電圧によって向きを変えることで光の透過量を調節します。さらにカラーフィルターを通すことで色を表現する間接発光方式です。ご家庭のテレビやパソコンのモニターで広く採用されている馴染み深い技術と言えます。
ディスプレイの明るさは「cd/㎡(カンデラ)」という単位で表されます。
液晶ディスプレイの輝度は約300〜700cd/㎡程度が一般的で、屋内利用に適しています。
一方で、LEDビジョンは屋内用で1,200cd/㎡以上、屋外用になると5,000〜6,000cd/㎡以上の明るさを誇ります。そのため、直射日光が当たる屋外や、日差しの強い窓際に設置しても、LEDビジョンであれば視認性を維持しやすくなります。<
液晶ディスプレイは1枚のパネルで製造されるため、サイズの限界(最大120インチ程度)があります。それ以上の大型画面を作るには複数枚を並べるマルチディスプレイにする必要がありますが、画面の間に数ミリの枠(ベゼル)が生じてしまいます。
LEDビジョンは、小さなパネル(モジュール)をブロックのようにつなぎ合わせて構築するため、サイズの自由度が高く、つなぎ目もありません。さらに、曲面や球体などの自由な形状を作ることも可能です。
画面をどのくらい離れた場所から見るかも重要な違いです。液晶は画素が高密度に詰まっているため、1〜3mといった至近距離から細かい文字や図面を見る用途に非常に適しています。
LEDビジョンは遠くから見て一つの映像として認識されるように作られており、近づきすぎるとLEDの粒(ピクセル)が粗く見えてしまう場合があります。ピッチ幅(LEDの粒の距離)の狭い高精細なLEDビジョンもありますが、その分コストは上昇します。
LEDビジョンは防水・防塵加工が施された屋外専用モデルが多数存在し、雨風や過酷な環境にも耐えられる耐久性を持っています。
万が一故障した際も、液晶はディスプレイ全体の修理・交換が必要になることが多いのに対し、LEDビジョンは故障した小さなモジュールパネルだけを交換して素早く復旧できるという保守性の高さがあります。
LEDビジョンと液晶ディスプレイのどちらを選ぶべきかは、どこに設置し、どのくらいの距離から見せるかという用途によって決まります。
LEDビジョンが向いているケースは、外広告・ビル壁面・日当たりの強い窓際・イベントステージなどです。100インチを超える大画面や、インパクトを重視する場所、雨風にさらされる環境に適しています。
液晶ディスプレイが向いているケースは、会議室・小規模店舗のレジ横・案内掲示板などです。数メートル以内の至近距離で、文字やグラフなどの細かい情報を正確に伝えたい場合に適しています。
大型ディスプレイの導入を成功させるためには、それぞれの特性を理解したうえで、複数の業者の提案や見積もりを比較検討することが重要です。自社の目的にマッチした製品を選定し、効果的な情報発信を実現しましょう。
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